インフルエンザワクチン
インフルエンザは、毎年11月下旬頃から感染者が増え、翌4月の頃には患者数が減少するというパターンになります。流行時期にインフルエンザを予防する対策としては、手洗い、うがい、マスクの着用などがよく言われますが、最も有効と考えられているのがインフルエンザワクチンの接種です。
ただ接種すると言っても、同ワクチンの効果をより高くさせるには、時期も重要です。ちなみに(インフルエンザワクチン)1回の接種による有効持続期間は約5カ月で、接種後に効力を発揮するまでに2週間はかかると言われています。
このようなことから、できるだけワクチンの効き目を有効にさせたい場合は、流行のピークとされる1月より前、12月中旬までには接種をされるようにしてください。また、定期的にインフルエンザを予防したいという場合は、持続期間が半年もたないので、毎年接種する必要があります。
なおインフルエンザワクチンは、年齢によって接種回数が異なります。13歳未満のお子さんは計2回の接種とし、13歳以上の方から1回となります。2回の接種では、1回目を接種してから2~4週間程度空けて受けるようにします。
高齢者につきましては、インフルエンザワクチンは定期接種の対象となりますので、公費による一部助成を受けることができます。
肺炎球菌ワクチン
肺炎とは、その病名の通り、肺に炎症が起きる病気です。原因としては、ウイルスや細菌などの病原体のほか、誤嚥やアレルギーといったことで引き起こされることもあります。
この肺炎は日本人の死因の第5位(2021年厚生労働省データ)に挙げられていますが、死亡した方の95%程度の方は65歳以上の高齢者となっています。また、成人で肺炎を発症する患者さんの3割くらいが肺炎球菌によるものとされていることから、高齢者の肺球菌ワクチンの予防接種というのは定期接種となっています。
日野市でも1回限定とはなりますが、当年度内に65、70、75、80、85、90、95、100歳になる方、60歳以上65歳未満で、心臓病、腎臓病、呼吸器に重度な機能障害がある方(障害1級程度)などは、公費による一部助成を受けることができます。なお接種ワクチンは、23価肺炎球菌ワクチンとなりますが、これまでに同ワクチンを一度でも受けたことがあるという方は対象外となります。
なお、定期接種の対象外とされる方であっても、全額自己負担にはなりますが、肺炎球菌ワクチンを接種することはできます。ただ再接種を希望される方で、前回の接種から5年未満という方が受けると注射部位に強い痛みがみられるので注意が必要です。
麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。風しんウイルスは免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人にうつす感染力の高いウイスルと言われています。
風しんワクチンは小児の定期予防接種のひとつですが、この場合は麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)が使用されています。接種することによって、95%以上の人が風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、追加のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。
当院では日野市の風しん追加対策による抗体検査・予防接種(MRワクチン)を行っています。対象者かどうかはまず日野市の公式ウェブサイトをご参照ください。
新型コロナウイルスワクチン
このワクチンは、COVID‐19ウイルスによる感染症の発症を予防する効果が期待されています。
任意接種をご希望の方は、電話またはクリニックの窓口で事前にお問い合わせください。
定期接種をご希望の方は、日野市の公式ウェブサイトで詳細をご確認ください。
※2024年度の定期接種は10月から開始予定です
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、神経節に沿って赤い発疹や水ぶくれがみられるほか、チクチク、ピリピリした神経痛が起きるようになる疾患です。
皮膚症状については3週間程度で治まりますが、痛みが強すぎた、あるいは高齢で発症したという場合は、この神経痛が続くことがあります。発症から3カ月程度過ぎても痛みが治まらないときは帯状疱疹後神経痛に移行することがあります。このようなリスクをできるだけ避けるために行われるのが帯状疱疹ワクチンです。
ビケン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)は、水痘・帯状疱疹ウイルスの病原性を極限まで弱めた生ワクチンです。接種回数は1回です。同ワクチンの接種によって、8年程度は効果が持続するようになると言われています。副反応としては、注射部位に腫れや痛みがみられることがあります。ただ多くは、数日程度で治まるようになります。
シングリックスは、予防効果が高いとされるワクチン(不活化ワクチン)です。ある報告によれば、予防効果は50歳以上の方で約97%、70歳以上で約90%とされ、ビケンよりも効果が高いのではないかとも言われています。
接種回数は計2回で、接種間隔は2カ月ほど空けます。持続効果期間は10年以上とされていますが、ビケンと比較すると費用は高額です。また副反応に関してですが、注射部位の痛みや腫れは、ビケンよりも強いと言われていますが、それでも一週間程度で解消されるようになります。
また、シングリックスは不活性化ワクチンのため、2週間以上あければ他のワクチンを接種することができ、免疫抑制薬使用中や化学療法中など免疫抑制状態にある方でも接種が可能です。
日野市の帯状疱疹ワクチン助成について
日野市では2023年8月1日より帯状疱疹ワクチン予防接種の費用の一部助成が開始予定となります。
対象者の方には市からハガキが郵送されますので、ハガキがきましたらご予約をお取りください。詳細については日野市ホームページをご確認ください。