血便の予防
定期健診
血便の原因は消化管に起こる出血ですが、血便を起こす疾患で最も心配されるのは胃がん、そして大腸がんです。胃がんにつながりやすい潰瘍や炎症による萎縮はピロリ菌感染が大きなリスクであり、内視鏡検査で感染の有無や粘膜の状態を調べることで早期発見と治療により完治も可能です。
また罹患者数や死亡者数が増え続けている大腸がんも、定期的な内視鏡検査で早期発見できれば、生活にほとんど支障なく完治させることや大腸ポリープの治療により予防も可能です。
どちらの場合もなんらかの症状がある前に、血便を起こす前に、内視鏡検査を受けることが不可欠です。定期的に健診を受けてください。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌は、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症原因であり、胃がんリスクを上昇させます。感染したまま放置していると、胃や十二指腸が炎症を繰り返して潰瘍を起こし、出血により血便を起こす可能性があります。
ピロリ菌に感染している場合、除菌治療の成功により菌が除去されると潰瘍が再発しにくくなります。除菌治療は抗生剤2種類と胃酸分泌抑制剤を1週間服用するだけですので、治療によるお身体への負担もほとんどありません。
便秘の改善
便秘では硬い便が肛門や直腸に擦れて出血しやすくなり、特に裂肛と便秘は互いを悪化させる悪循環を起こしやすくなっています。また、便秘によって腸への負担が増えると出血を起こす大腸疾患や内痔核などの発症につながるリスクも増大させます。
便秘はさまざまな理由から血便を引き起こしやすいのです。逆に便秘を解消することで、血便を起こすような疾患を予防できます。特に頑固な便秘がある場合、専門的な治療を受けて解消させることが重要です。
また、便秘による強いいきみは、脳血管障害や虚血性心疾患などを発症するリスクを高めると最近注目されています。便秘は加齢のせいだとか、もともとの体質だとあきらめたり、市販薬でごまかさず、気軽にご相談ください。