大腸カメラとは

一般的に大腸カメラと呼ばれる検査機器については、大腸内視鏡(下部消化管内視鏡)が使われていることが大半です。上部消化管内視鏡(胃カメラ)と同様にビデオスコープとビデオシステムの本体に分かれ、スコープの先端には、超小型CCDカメラ、照明、鉗子などが内蔵されています。
大腸カメラの場合は肛門からスコープを挿入していくことになるのでスコープの直径は約12mmと太く、またがんなどの病変が疑われる組織があれば鉗子などで採取することも可能ですし、ポリープを発見した場合は、その場で切除することもできます。
なお挿入時は、大腸内視鏡が肛門から入っていくのと一緒に空気も入るようになるので、お腹が張るなどして苦しい思いをすることも少なくありません。そのため、挿入時は空気の代わりに体内に吸収されやすい炭酸ガスを送気することで、おなかの張りを軽減できます。また、鎮静剤も投与するなど、可能な限りリラックスして受けられる環境を整えています。
大腸内視鏡による検査を受けた方が良いとされる方
- 便潜血検査で陽性の判定を受けた方
- 便に血が混じっている(血便)
- 便通異常(下痢、便秘、残便感、便が細い など)がみられる
- しこりを腹部に感じている
- 家族あるいは親戚が大腸がんに罹患している
- 40歳を過ぎて、これまで一度も大腸内視鏡を受けたことがない
大腸内視鏡で発見できる主な病気
- 大腸がん
- 大腸粘膜下腫瘍
- 大腸憩室
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
- 大腸ポリープ
- 感染性腸炎
- 痔核
検査をする際の注意点
同検査を希望される方については、事前に診察を行っていきます。また常用薬のある方は、前もって報告してください。何を服用しているかわからないという場合、お薬手帳をご持参ください。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬 など)、糖尿病の薬(インスリン、経口血糖降下薬)などは、休薬が必要となることがあります。
検査前日に関してですが、夕食はとれますが(20時頃まで)、できるだけ消化の良いものにしてください(海藻類、キノコ類、果物類は不可)。水分については、お茶や水であれば、制限はありません。
また検査当日は、朝から絶食し、大腸内視鏡検査が始まる2~3時間前から、時間をかけて腸管洗浄液(下剤)をゆっくりと飲んでいきます。その後、排便を繰り返すようになるわけですが、便の色が透明になると腸の中がきれいになった証でもあるので、検査開始となります。
検査時の主な流れは、次の通りです。
-
1.検査準備
検査衣に着替え、検査台で横になります。鎮静剤をご希望の方は、内視鏡を挿入する前に鎮静剤を投与し、リラックス状態で検査を受けられるようにします。
-
2.検査開始
内視鏡を肛門から挿入し軸保持短縮法を用いてなるべく腸を伸ばさないように進めていきます。
-
3.大腸内を観察
盲腸まで到達したら大腸内腔を観察します。その際に必要に応じて組織を一部採取(生検)したり、ポリープをその場で切除することもあります。
-
4.検査終了
観察だけなら15~30分程度で終了です。検査終了後は、鎮静剤を投与している場合は30分~1時間程度は院内で休憩し、問題がなければご帰宅となります。
検査後の注意点
- 検査を終えれば、何の制限もなく食事はできます。ただ一部組織を切除した場合は、検査当日の暴飲暴食・アルコール、激しい運動は控えるようにしてください。
- お腹に空気が溜まっているので苦しく感じることもありますが、何回かトイレに行っている間に解消するようになります。
- 検査後は、できるだけ安静に努めるようにしてください。
検査料金表(目安)
3割負担 の方 |
2割負担 の方 |
1割負担 の方 |
|
---|---|---|---|
大腸カメラ | 7,500円 | 5,000円 | 2,500円 |
大腸カメラ + 病理検査 | 15,000円 | 10,000円 | 5,000円 |
- 上記はおおよその金額となります。
薬剤、組織検査の数などによって金額が異なります。