胃潰瘍の診断には、専門医の詳細な検査が必要です。内視鏡検査(胃カメラ)は一般的な方法で、食道・胃・十二指腸を観察し、潰瘍の有無と大きさを確認します。また、生検を行い病理検査によって病因を解明します。
内視鏡所見としては活動期・治癒期・瘢痕期の3つのステージに分けられます
活動期(ステージA)
A1:潰瘍の底の白苔が厚く、潰瘍辺縁にも白苔がはみだし、炎症による腫脹がある時期
A2:潰瘍周辺の炎症が少しひいて、白苔のはみだしがなくなる時期
治癒期(ステージH)
H1:潰瘍が小さくなり、潰瘍の周辺に再生上皮がみられる時期
H2:さらに潰瘍が小さくなり、潰瘍周辺がほぼ再生上皮に置き換わる時期
瘢痕期(ステージS)
S2:瘢痕の真ん中の赤い粘膜がなくなり、周りの粘膜と同じ色に戻る時期
ヘリコバクターピロリ菌感染が関与する場合、検査を通じてその有無を確認します。呼気検査や血液検査、便検査が一般的です。X線検査も一部で行われます。正確な診断により、適切な治療法を選択できます。胃潰瘍は早期発見が大切で、適切な治療によって合併症や進行を防ぐことができます。
当院では内視鏡検査を行う上で、潰瘍が悪性なのか、それとも良性かの判断や、潰瘍のステージ評価をしっかりと行っていきます。また、外来治療が可能なのか、それとも入院治療が必要かの判断も重視し精密検査、入院加療の必要が出てきた際は、適切な医療機関をご紹介させていただきます。
症状が出た場合、専門医の指導の下で検査と診断を受け、健康を守るための一歩を踏み出しましょう。