まずはお酒が強い活性型の人です。
この方々は慢性的な飲酒習慣が形成しやすいため
・肝硬変 ・慢性膵炎 ・アルコール依存症
などの疾患にかかりやすいと言われています。
まず肝硬変ですが、肝臓は腸からの血液の通り道でからだの関所のようなところです。からだに必要なたんぱく質の生成、不要物の解毒を行います。その肝臓が飲酒による慢性的な障害で硬くなり正常の働きができなくなった状態を肝硬変といいます。
症状としては黄疸、浮腫、腹水、脳症などを認めます。また、肝臓に戻ってくる血流がうっ滞することにより食道・胃静脈瘤を引き起こし、時に破裂することもあります。そして最終的には発癌すると言われています
次に慢性膵炎ですが膵臓は消化酵素を出したり、インスリンというホルモンを分泌して血糖をコントロールする場所です。膵臓もアルコールによる慢性的な障害で膵炎を引き起こします。この炎症を繰り返すことで徐々に萎縮し正常の働きができなくなります。脂質の分解ができなくなり消化不良から下痢症状を呈し、糖の代謝ができなくなり糖尿病を引き起こします。また膵がんのリスクにもなります。
次にお酒が強くない低活性型の人です。この方々は強くないけどある程度は飲めるので無理してしまうこともあります。特に注意しなければいけない病気は食道がんです。食道がんの症状としては早期ではほとんどありませんが、進行して大きくなると嚥下障害、嗄声、黒色便などが生じます。
食道がんになりやすい人の特徴としては、飲酒で顔が赤くなる「フラッシャー」という人です。フラッシャーとは、「アセトアルデヒド」が分解されにくく、顔などの毛細血管が拡張して赤くなる人、つまり低活性型のことを指します。唾液中のアセトアルデヒド濃度は血中濃度よりも高くので食道粘膜はより高い濃度のアセトアルデヒドの影響を受けます。このことからアセトアルデヒドを代謝しにくい低活性型の方は食道がんになりやすいといわれています。
特に危険なのは、「昔はすぐに顔が赤くなったのに、付き合いで鍛えられて飲めるようになった。今はワイン1本でも平気」という人です。ビール1杯でフラフラになってしまうような人は、お酒を飲まない(飲めない)ので食道がんにはあまりなりません。反対に、一升瓶を空けても顔色が変わらない酒豪も、活性が高いので、やはり食道がんになることは少ないといわれています。この中間に位置する、フラッシャーなのに飲めてしまう人が毎日のようにお酒を飲む生活を続けると、食道がんのリスクが上がります。
最後にまったく飲めない非活性型の人です。この人たちは基本的にはお酒は飲まないのでリスクはありません。しかし絶対に無理に飲ませてはいけません、最悪の場合死に至ることもあるので遊び半分でもやめましょう。