
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラとは、正式には「下部消化管内視鏡検査」と呼ばれている検査のことで、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸(一部小腸)を調べて、炎症、大腸ポリープ、大腸がんの有無などを診断することができます。
検査の際には必要に応じて、大腸ポリープを切除したり、組織の一部を採取(生検)したりします。内視鏡で行う治療には内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などがあります。
大腸がんの発症には加齢、飲酒、喫煙、食の欧米化、運動不足といった生活習慣が大きく関わっているとされていますが、ほとんどは良性の大腸ポリープから発生します。そのため、良性のポリープの時点で切除することが大腸がんの予防につながります。また、大腸がんはかなり進行しないと自覚症状が現れにくいという特徴があるため、早期発見のためには症状のない段階から定期的に大腸内視鏡検査を受けることが有効です。
当院では大腸内視鏡検査に対する「つらい」「苦しい」「痛い」「恥ずかしい」というイメージや検査に対する不安を解消できるような環境をめざし、1人でも多くの方に定期的に大腸内視鏡検査を受けていただき、地域の方々の大腸疾患の早期発見と治療に貢献したいと考えています。健康診断で便潜血反応陽性になった方、あるいは日ごろから便や腸などに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
大腸カメラを行う際にS状結腸のところをそのまま内視鏡を押し続けていくとループを作ってしまいます。ループの形によって「αループ」、「γループ」と言われますが、腸が伸びてしまうため痛みが伴います。
軸保持短縮法とは、空気をなるべく入れないで、腸を畳み込むように挿入していきます。伸びやすいS状結腸も巻き取ってまっすぐに挿入し、ループを作らないので苦痛は少なくなります。十分な修練が必要な挿入法です。
鎮静剤を使用した場合は、検査終了後15分~30分程度リカバリースペースでゆっくりとお休みいただけます。
下剤2L飲むのが大変という方向けに下剤を飲まずにできる大腸カメラをご用意しております。
上記のような体の負担を感じる方に、胃カメラと同時でオプションにて下剤を飲まずにできる大腸カメラをご用意しております。
大腸を観察する際は空気を入れて大腸を膨らまさなければいけません。炭酸ガスは空気と比較して腸管内で速やかに吸収されるため、検査時や術後のおなかの張り、痛みを抑えることができます。
当院ではオリンパス社の最新機種であるEVIS X1を導入しています。NBI(Narrow Band Imaging)、TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)などの機能を用いて、早期がんなどのわずかな病変も見逃さずに観察します。
当院では大腸カメラを行った際にポリープが見つかった場合、その場で切除することができます。詳しくはポリープ切除のページをご確認ください。
当院では胃カメラと大腸カメラを同日に受けていただくことが可能です。忙しくて検査を受ける日にちがない、検査の準備や食事制限を1日で済ませたいという方にはお勧めです。
鎮静剤を使用した場合は、検査終了後15分~30分程度リカバリースペースでゆっくりとお休みいただけます。
内視鏡検査で使用した機器は、日本消化器内視鏡学会のガイドラインに沿って検査毎に洗浄・消毒をしっかりと行います。
患者さんに安心して検査を受けていただくために、専用の洗浄機を導入しており、検査のたびに完全洗浄・消毒を行い感染予防に努めております。
土曜日の午後に大腸カメラを受けることが可能です。平日仕事でなかなか検査を受けられない方にはお勧めです。
当院の内視鏡検査は、女性医師による対応が可能です。
「男性医師には相談しにくい…」
「大腸カメラ検査に抵抗がある…」
というお悩みがある方も、お気軽にご相談ください。
女性の方にも安心して内視鏡検査を受けていただけるような配慮を徹底しております。
プライバシーに配慮した下剤服用スペースと、清潔なトイレを完備。
一人で下剤を飲むことが不安な方、下剤を飲むのが初めての方も、スタッフがそばにいる環境で安心して下剤を服用いただけます。
オリンパス社が開発した狭帯域光をNBIと言い、通常光とは異なる光(狭帯域光)を使用することによって、非常に小さな病変を早期発見することが可能です。狭帯域光を手元で簡単に操作できるので、患者さんには負担がかかりません。
オリンパス社が開発したTXIは、通常光の情報を基に、「明るさの補正」「テクスチャーの強調」「色調の強調」の3つの要素を最適化する画像処理機能です。光の反射を起こさずに暗部を明るくし、画像上の細部構造の変化や色調の変化を観察しやすくします。
下記の症状がある方は一度、検査をお勧めします。
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|---|
大腸内視鏡検査(観察のみ) | 2,500円 | 5,000円 | 7,500円 |
大腸内視鏡検査+生検※ | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 |
ポリープ切除 | 7,000~9,000円 | 14,000~18,000円 | 21,000~27,000円 |
※生検とは病変の組織を一部採取して、顕微鏡で確認する検査です
※上記費用に診察料、薬剤料などが別途かかります
同検査を希望される方については、事前に診察を行っていきます。また常用薬のある方は、前もって報告してください。何を服用しているかわからないという場合、お薬手帳をご持参ください。
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬 など)、糖尿病の薬(インスリン、経口血糖降下薬)などは、休薬が必要となることがあります。
検査前日に関してですが、夕食はとれますが(20時頃まで)、できるだけ消化の良いものにしてください(海藻類、キノコ類、果物類は不可)。水分については、水・お茶・スポーツドリンクであれば、制限はありません。
検査当日は、朝から絶食し、朝8時ぐらいから、時間をかけて腸管洗浄液(下剤)をゆっくりと飲んでいきます。その後、排便を繰り返すようになるわけですが、便の色が透明になると腸の中がきれいになった証でもあるので、検査開始となります。
鎮静剤を使用された方は、検査後、自転車やバイク、車の運転はできません。どなたかの付き添い、お迎えの手配が必要です。
検査予約
大腸カメラ検査をご希望の場合、事前診察および検査のご予約がwebで可能です。事前診察にて下剤のお渡しをいたします。
検査前日
夕食は20時までに済ませてください。水・お茶・スポーツドリンクは夜間も摂取可能です。
検査当日
常用されているお薬は検査予約時の指示通りに服用してください。水・お茶・スポーツドリンクは摂取可能です。
検査
検査着に着替え、ストレッチャーに横になっていただきます。鎮静剤をご希望の方は、内視鏡を挿入する前に鎮静剤を投与し、リラックス状態で検査を受けられるようにします。
内視鏡を肛門から挿入し軸保持短縮法を用いてなるべく腸を伸ばさないように進めていきます。
盲腸まで到達したら大腸内腔を観察します。その際に必要に応じて組織を一部採取(生検)したり、ポリープをその場で切除することもあります。
観察だけなら15~30分程度で終了です。検査終了後は、鎮静剤を投与している場合は15~30分程度は院内で休憩し、問題がなければご帰宅となります。
検査終了後はリカバリールームで休憩いただき、その後、医師より検査結果について説明があります(鎮静剤を使用しない場合はリカバリールームでの休憩は必要ありません)。鎮静剤を使用した場合、車等の運転はできませんのでご注意ください。