大腸カメラをできるだけ苦痛がなく楽に受けるには?|ふくろう内科クリニック|日野市多摩平

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大腸カメラをできるだけ苦痛がなく楽に受けるには?

大腸カメラをできるだけ苦痛がなく楽に受けるには?|ふくろう内科クリニック|日野市多摩平

大腸カメラとは

こんにちは、東京都日野市多摩平にあるふくろう内科クリニックです。
今回は大腸カメラ(下部消化管内視鏡)に関する話をさせていただきます。

大腸カメラは正式には「下部消化管内視鏡」と呼ばれ、大腸と小腸(一部)を観察する検査のことを言います。主に「血便が出た」「便通異常で困っている」「おなかが痛い」「便潜血検査で異常を指摘された」などの方が対象になります。

最近では大腸カメラができる医療機関も増え、多くの方が受けている検査です。しかし、大腸カメラが初めての方、以前受けたけど辛い思いをされた方は検査に対して不安が強く、検査を躊躇されるケースもあると思います。そんな方のために、安心して大腸カメラを受けていただけるようなアドバイスをお伝えします。

結論

・下剤(洗腸剤)は自分に合ったものを選ぶ
・軸保持短縮法または水浸法をしっかり習得した医師を選ぶ
・どうしても辛い方は鎮静剤を使用する

当院の大腸カメラの特徴

前日の検査食の提供:あり (希望に応じて)
下剤:サルプレップまたはモビプレップ
大腸カメラの挿入法:軸保持短縮法
鎮静剤:ドルミカム (希望に応じて)
内視鏡システム:EVIS X1 (オリンパス最新機種)

大腸カメラ検査前日の準備(食事)

前日は朝・昼・夕の3食を摂取しても大丈夫ですが、食事選びは重要です。食物繊維の多い食材(きのこ類、海藻類、野菜類、ナッツ類など)は消化されず残ってしまうため、大腸にある小さな病変の観察が難しくなります。よって食物繊維を避けた食事をしっかり選ばなければいけません。自分で調べて食事を作れればよいですが難しい方もいると思います。そんな何を食べればいいかわからないという方は素うどん、おかゆ、鶏のささみなどがおすすめです(私は大腸カメラを受けた際に、前日は某うどんチェーンのかけうどんなどを食べました)。腹持ちも良く、寝る前におなかがすきません。

 他にも便利な検査食(大腸カメラ用の食事セット)を提供している医療機関もあるためご確認ください。(※検査食の購入は保険診療外になります。)

検査当日の準備(前処置)

大腸カメラを行うためには大腸の中を空っぽにしなければいけません。まず当日の朝8時ぐらいから12Lの下剤(洗腸剤)を飲んでもらいます。いわゆる前処置というもので、この下剤は医療機関によって種類も様々で錠剤タイプのものもあります。また前日の夜から下剤が始まるところもあります。だいたい23時間で便が透明になってくるので透明になったら前処置は完了となります。内服中に気分が悪くなったり、なかなか透明にならないときは一度クリニックに連絡しましょう。

実は大腸カメラに不安を抱いている多くの方がこの下剤を苦手としています。「検査は平気だけど下剤を飲むのが辛くて…」という方が多いのが現状です。よってこの下剤をどう攻略するかが大腸カメラの第一関門となります。

一般的に使用されている下剤

ニフレック

まず薬の入ったパックに水を入れて2Lの液剤を作ります。次に液剤2L2-3時間かけて飲んでもらいます。スポーツドリンクの様な味の下剤で、多くの施設で使用されています。

モビプレップ

まず薬の入ったパックに水をいれて2Lの液剤を作ります。次に液剤1Lを水またはお茶500mlと一緒に2-3時間かけて飲んでもらいます。しその様な味の下剤で、多くの施設で使用されています。

 ビジクリア

50錠の錠剤を2Lの水またはお茶と一緒に2-3時間かけて内服します。錠剤に味はついていませんが一般的な錠剤よりやや大きめです。

サルプレップ

480mlのペットボトルタイプの液剤です(自分で作る必要はありません)。液剤480mlと水またはお茶960mlを一緒に内服します。レモン風味の下剤で、現在最新のものです。
味や液剤と水の量のバランスは下剤によって異なるため、一度下剤で辛い経験をされた方でも種類を変えれば無理なく内服できる場合もあります。大腸カメラを受ける際は是非下剤の種類も確認してみてください。

いよいよ大腸カメラ本番

前処置が終わったらいよいよ大腸カメラが始まります。大腸の長さは約1.5mで盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分かれています。おなかの中に1.5mの腸管が曲がりくねって入っており、特にS状結腸の部分の曲がりが強くなっています。よってS状結腸を上手く通過できるかどうかが大腸カメラを苦痛を少なく受けられるかのポイントになってきます。

主な大腸カメラの挿入法

ループ法

 

曲がりが強いS状結腸のところをそのまま内視鏡を押し続けてループを作りながら挿入していきます。ループの形によって「αループ」、「γループ」と言われますが腸が伸びてしまうため痛みが伴います。

軸保持短縮法・水浸法

軸保持短縮法は空気をなるべく入れないで、腸を畳み込むように挿入していきます。伸びやすいS状結腸も巻き取ってまっすぐに挿入します。空気があまり入らず、ループも作らないので苦痛は少なくなります。十分な修練が必要な挿入法です。

水浸法は空気の代わりに水を入れながら大腸カメラを挿入していきます。水を入れることで腸の曲がりが緩やかになり挿入時にループを作りにくくなります。またおなかの張りも少なく、水のおかげで大腸カメラの挿入もなめらかになります。十分な修練が必要な挿入法です。

大腸カメラを難しくさせる要素

大腸カメラの修練を十分に積んでいる医師であってもすべての方に苦痛を少なく検査ができるということではあり得ません。なぜならひとそれぞれ腸の状態は異なるからです。そして大腸カメラを難しくさせる要素としては「腸管癒着」、「やせ型体系」、「腸が伸びやすい」などがあります。

腸管癒着

おなかの手術歴がある方、過去に帝王切開をされた方は腸の外側がくっついている場合があるため、腸を巻き取って短縮することが難しい場合があります。これを腸管癒着と言います。

やせ型体系

骨盤が狭い方、体格の小さいお年寄りなどはS状結腸の曲がりが複雑になり腸を手繰り寄せることが難しい場合があります。

腸が伸びやすい

肥満体系の方、腸が弛緩しやすい方、S状結腸が長い方は一度ループを形成しないとS状結腸を通過できない場合があります。

どうしても辛い方は鎮静剤を使用

大腸カメラを難しくする要素がある方、いろんな説明を受けたけどやっぱり怖いという方は鎮静剤の使用を検討しましょう。鎮静のかかり具合は人それぞれですが「もう検査は終わったの?」、「寝ていて全然わからなかった」という様にほとんど苦痛なく大腸カメラを受けれた方もいらっしゃいます。ただし、鎮静剤も効きすぎてしまうと呼吸が止まってしまう可能性があるため、経験のある医療機関で全身状態のモニタリングをしながら使用しなければなりません。

 ※鎮静剤を使用した場合は自転車、バイク、車などの運転が1日できなくなるため注意しましょう。

まとめ

ざっくりではありますが今回は大腸カメラに関するお話でした。
苦痛を少なく大腸カメラを行うには様々な要素があるため、患者様に合わせてオーダーメイドで検査を組む必要があります。まだまだブログではお伝えしきれない内容もあるため、他にも聞きたいこと、わからないことなどがありましたらお気軽にご相談ください。

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